債券市場にとっての悪材料が株式市場には異例の恩恵となっている。リフィニティブ・リッパーがまとめたデータによれば、投資家らは2022年の最初の7週間で、マネー・マーケット・ミューチュアルファンド(MMF)から1600億ドル(約18兆3000億円)近くを、また、債券ファンドや上場投資信託(ETF)からは1750億ドルの資金を引き揚げている。資金流出は少なくとも過去7年間で最大となるペースに達している。このうち500億ドルは同期間に、また2月以降だけでも210億ドル近くが株式ファンドへ流れている。経済および金融情勢が変化する中、莫大(ばくだい)な規模の資産が移動した。物価上昇に加え、米連邦準備制度理事会(FRB)が早ければ来月にも利上げを開始することへの懸念から、債券および株式市場には年初来から下げ圧力がかかっている。