ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が21日に大統領府で行った好戦的なテレビ演説は、数十年にわたる歴史的な不満を1時間近くにわたって述べたもので、冷戦後に西側諸国が中心となった国際秩序に対するロシアの明らかな挑戦状となった。この演説は表向き、2014年から親ロシア派が事実上支配しているウクライナ国内2地域の独立を承認することが目的だった。だがプーチン氏は、ウクライナが歴史の偶然によって、米国がロシアを攻撃する拠点になってしまったとする持論に触れた。同氏は「米国と北大西洋条約機構(NATO)はウクライナ領を軍事作戦の舞台として開発するという恥知らずな行動を始めた」と述べた。今回の演説は、プーチン氏が2007年にミュンヘンで行った挑発的な演説を想起させるものだった。同氏は当時、「米国による外交関係の独占」と同氏が呼ぶものとイラクなどの紛争での米国の武力行使を激しく非難。同氏の米国との闘争的関係は、この演説によって軌道が定まった。