ウクライナ侵攻で大幅下落しても
絶対に売ってはいけない

 むしろ個人投資家がやってはいけない、最も注意すべき点は、下落したときに手持ちの株式を売ってしまうことである。特に昨今ではiDeCoやつみたてNISA等の制度を使って、少しずつ長期に積み立て投資をする投資家は増えてきている。そういう投資家は、たとえ下落した局面があってもやめずに続けることが大事なのだ。

 なぜなら、歴史的に見ても過去、幾多の暴落を乗り越えて市場は長期的には着実に拡大・上昇を続けているからだ。これは資本主義の本質が、自己増殖するシステムであるからに他ならない。そのメカニズムは以下の通りである。

 世の中において企業が行うありとあらゆる事業活動は(1)資本を投下し、(2)そこから収益を得、(3)投下した資本のコストを支払い、(4)利潤が生まれるという流れで続いていく。

 そうした一連の活動の中で生まれた利潤を全て分配してしまったり、消費に使ったりしてしまうと次の利潤を生む機会がなくなってしまう。そのため、利潤の一部、あるいは全てを次の利潤を生むための新たな資本の投下に向けることになる。わかりやすく言い換えれば、投資における複利の概念と同じことだ。

 このようにして事業活動は増殖していくことになるし、逆に利潤を生まず縮小してしまうような事業活動であれば終わってしまう。これが企業倒産だ。

 結果として生き残った事業活動(企業)は、増殖を続けることになる。資本主義が本質的には自己増殖するシステムであり、市場が長期的には成長を続けていくという理由がここにある。したがって、利益を求める人類の経済活動が続く限り、投資を続けていけば報われることになる。