原油が1バレル=100ドル近くで取引される中、投資家の間では、ロシアとウクライナが衝突すれば物価上昇がさらに進む可能性があるとの懸念が広がっている。最も明白な影響が見られるのは欧州で、ドイツでは年初にはマイナス圏にあった連邦債10年物利回りが今週、0.27%にまで上昇した。ロシアにエネルギー供給を依存していることや欧州中央銀行(ECB)が米連邦準備制度理事会(FRB)ほどは金融政策の引き締めに積極的でない中、欧州は難しい状況に置かれている。国債は安全な投資先とみられているため、混乱期には通常、利回りが低下し価格は上昇する。一方で国債はキャッシュフローが固定されている場合が多いことから急速な物価上昇の際には購買力が失われることになる。このため、通常の国債への需要が抑制される一方、投資家は短期の物価連動米国債(TIPS)を購入している。
ウクライナ情勢、世界的な物価上昇の懸念強まる
有料会員限定
あなたにおすすめ