なぜ「アサリ偽装」は逮捕されず、「ワカメ偽装」は逮捕されたのか写真はイメージです Photo:PIXTA

中国産などの大量の輸入アサリが熊本県産と偽装された問題は、多くのメディアで大々的に取り上げられている。だが、2月20日現在、誰一人逮捕されていない。一方15日には、外国産ワカメを鳴門産と偽装していた疑いで、食品表示法及び不正競争防止法違反として、静岡県の水産会社の社長含め3人の容疑者が逮捕されている。これだけ世間を騒がせ、しかも消費者の不安や怒りが高まっているのに、どうしてアサリ偽装は、誰も逮捕されないのか。(消費者問題研究所代表 垣田達哉)

大量のアサリ偽装を行った
水産会社に「注意処分」

 農林水産省は昨年12月8日、アサリ偽装を行っていた熊本県の水産会社に対し「生鮮水産物の不適正表示に対する措置」をしている。「生鮮水産物アサリの原産地について、中国産又は福岡県産であるにもかかわらず、熊本県産と事実と異なる表示をし、販売していたことを確認した」ので「食品表示法に基づき、表示の是正と併せて、原因の究明・分析の徹底、再発防止策の実施について指示を行った」のだ。

 つまり、農水省は産地偽装をしていた水産会社に対し、「これからは正しい表示をしてください」という注意をしただけである。