多くのビジネスパーソンの支持を集める、登録者60万人超えの「サラリーマンYouTuber」、サラタメさん。
注目の処女作『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン──名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法』は600ページ超えの超大作で、まさに“鈍器本”だ。
「仕事がデキない」「残業だらけ」「上司とソリが合わない」「転職したい」「老後のお金が不安」といった、人生100年時代を生きるサラリーマンの悩みを、まるごと解決してくれる本書から、その一部を抜粋して紹介する。

238055612_previewPhoto: Adobe Stock
〈結論〉
・個人からお金を取るビジネスだけで、規模を拡大するのは難しい
・企業から直接案件を依頼されるビジネスを目指そう
・そのために、サラリーマン感覚を活かして“お行儀よく”

サラタメ:マモルさん! どうせ副業やるなら、「企業から直接お金を取れる副業」を目指しましょう!

マモル:なな、急になんですか!?(笑)

サラタメ:これはちょっと上級者レベルですが、マモルさんが副業を始める前に、絶対知っておいたほうがいいかなと思いまして。

マモル:「企業」からお金を取る? 企業で働くってことですか……? というか、企業以外、他に誰からお金を取れるんですか……? 急に上級者レベルすぎて何もわかりません!

サラタメ:すみません、急にブッ込みすぎました(笑)。副業に限らずですが、ビジネスでお金を得る対象は、大きく「個人」と「企業」に分けられるんです。

●個人からお金を取る副業
 有料note販売、オンラインサロン運営、個人向けコンサルなど

●企業からお金を取る副業
 間接的に
 YouTubeの広告収益、ブログのアフィリエイトやGoogleアドセンスなど

 直接的に
 YouTubeでの企業広告案件、企業Webサイトの記事制作、企業の公式SNSアカウントコンサルなど

サラタメ:月数十万円規模を継続的に稼ぐとなると、「個人」相手だけでなく、「企業」からもお金が取れるビジネスを目指したほうがいいんです! 特に「企業案件」は稼げる金額が圧倒的に高くなります。

マモル:いやいや、企業の仕事を受けるとか、めっちゃ難易度高くないですか!? 個人からお金をもらえるビジネスのほうが、気楽な感じがしますけど。

サラタメ:少額ならそうです! ただ、数万円単位をいただこうと思うと、逆に難易度が上がってしまいます! 企業には使わなきゃいけない「経費」があるんですが、個人は使いたくない「お小遣い」しか持っていません。本業の収入を超える規模のビジネスを目指すなら、「企業からお金を取る道」からは逃れられないんです。

企業案件は段違いに稼げる

 個人にデジタルコンテンツを販売するより、企業案件を受注したほうが圧倒的に稼げます(単価が高い)。大企業だけでなく、名前を聞いたことのない中小企業でも、恐ろしく儲けている会社はたくさんあります。

 そんな会社は「利益が出すぎて税金を多く払うくらいなら、仕事を発注して経費として支払いたい」と思っています。つまり、「お金を使いたい」と思っているのです。

 一方で「個人」の感覚は、私たちサラリーマンと一緒。だいたい財布はカツカツ状態……。「お金を使わなきゃ」なんてまったく思わないですよね。

 サラリーマンなら、月々の給料の額面が30万円でも、そこから税金が天引きされ、家賃・光熱費・食費・飲み代で出ていったら、ほぼ残らないはず。個人からお金を取るビジネスをやるということは、そのなけなしのお金を、ライバルたちと奪い合うということ。非常に厳しい戦いです。

 数万人のフォロワーがいるインフルエンサーになれば、個人相手のビジネスで大きな額を稼ぐこともできますが、再現性は低め。本業以上の収入を目指すなら、「いつか企業案件」という目標を持ちましょう。

マモル:なるほどー。ガッツリ稼ぐなら、いつかは「個人のお小遣い」ではなく、「企業の経費」を狙うビジネスをしないといけないんですね。

サラタメ:まさしくです! 要は「経費」なので、「企業」相手じゃなくても、「フリーランス」とか、私たちと同じく副業に取り組む「個人事業主」を相手に商売するのもアリです。

“お行儀よく”しないと
企業案件は無理

「副業収入」が「本業収入」を超える副業上級者だけがコッソリ心掛けている1つの鉄則

 いつか企業案件をやるためには、“お行儀よく”やることも重要です。

 要は、胡散くさいビジネスには、手を出すなということです。

サラタメ:サラリーマンなら、社内にいるのでイメージできると思いますが、たとえ実力や実績があっても、いかにもグレーで胡散くさい人に、企業担当者として仕事を発注するのは難しいですよね(笑)。

 企業案件を受けられるために、最低限、次の2点に気をつけましょう。

1.説明できる攻め方をしよう

 マトモに見られるのは重要ですが、ビジネス上、ギリギリを攻めなければいけない場面もあるでしょう。「胡散くさいビジネス」と、誰も手をつけていない「穴場のビジネス」とでは見分けが難しかったりします。

 迷ったときは「企業との商談で理路整然と説明できるか」を考えてみましょう。

 ネット上でビジネスする場合、あなたの過去の活動は、デジタルタトゥーとして刻まれることになります。もしギリギリを攻めたいなら、将来的に企業と仕事をする際に、ポリシーを持って説明できる攻め方をしましょう

2.個人のお財布に配慮しよう

 個人を対象にビジネスをする際は、細心の注意を払ってください。

 前述しましたが、個人の財布は、いつもカツカツなので、判断が非常にシビアです。あなたが提供する商品の価値が価格に対して見劣りするものなら、すぐさま恨みのこもったクレームにつながります。

 そのクレームがネット上に刻まれてしまうと、あなたのビジネスの評判は著しく下がります。結果、企業が仕事を発注しにくい状況になりかねません。

 特に高額商品を販売するビジネスは、難易度が高いです。お値段以上の付加価値と綿密なアフターフォローが求められます。初心者が手を出すと痛い目に遭いますのでくれぐれもご注意ください。

サラタメ:「とにかく金を稼ぐんじゃい」と無茶な稼ぎ方をした結果、企業から敬遠され、おいしい案件を受注できなくなる。それは非常にもったいないです。近道を行くつもりが、遠回りになってしまわないよう、準備段階でお伝えさせていただきました。

(本原稿は、サラタメ著『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン』からの抜粋です)

〈まとめ〉
・個人からお金を取るビジネスだけで、規模を拡大するのは難しい
・企業から直接案件を依頼されるビジネスを目指そう
・そのために、サラリーマン感覚を活かして“お行儀よく”