『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら
[質問]
就職難にあい、フリーターのまま30歳を過ぎてしまいました。難しい資格を取って1発逆転…とは言わないまでも、もう少し人生をなんとかしたいです。
現在読書猿さんがブログに書いておられる記事の他に、資格試験の勉強の助けになる本や情報はあるでしょうか。
テスト効果についての本はどうでしょうか
[読書猿の回答]
資格試験の助けとなる既存の学習方法本では、テスト効果に触れた(和訳タイトルがあれですが)『脳が認める勉強法』はどうでしょうか?
テストは、学習後に、学習の度合いを確かめるだけでなく、学習の効果を増強する効果があります(使うために思い出すことが、学習効果を高めるのです)。それどころか学習前に、これから学ぶトピックについてテストすることも増強効果があります。
ちなみにテスト効果を最初に記述し、研究の端緒を開いたのは、当時スタンフォード大学に学位取得のために留学していた心理学者の井澤千鶴子です。Izawa, C.(1966). Reinforcement-test sequences in paired-associate learning. Psychological Reports, 18(3), 879-919.
さて著者としては、『独学大全』についてご紹介すべきかもしれません。学習計画の作り方や学習時間の捻出法から、覚え方や理解を助ける学習法まで資格試験や受験勉強に必要な技術は一通り揃っていると思います。テスト効果も、ヨーゼフ・ノヴァックのコンセプトマップと組み合せた「プレマップ&ポストマップ」という技法に取り入れられています。
発売前には「資格試験や受験勉強には役立たないのでは?」との声もいただきましたが、私はそうは思いませんでした。発売から1年半以上が経過し、たくさんの「合格しました」の声が届いています。