米国はロシア中央銀行に制裁を科し、欧米の圧力から経済を保護するための外貨準備の利用を阻止する。28日の米国市場の取引開始前に複数の米当局者が明らかにした。ロシア中銀は通貨ルーブルの下支えにドルやユーロなど外貨準備を使えなくなり、同国内ではインフレが進行する見通しだ。米国は日欧など主要7カ国(G7)と協調して制裁を科し、ロシアにウクライナ侵攻をやめるよう圧力をかける。ある当局者は、ロシア政府が欧米の制裁に対抗して中銀に6300億ドル(約72兆7000億円)の軍資金を準備するなど経済強化を図ってきたことを念頭に「『ロシア要塞(ようさい)』が虚構だったことが暴かれるだろう」と話した。米国はロシアの主要政府系ファンド、ロシア直接投資基金(RDIF)も制裁の標的にし、同国が中銀機能を他国政府や民間銀行に果たさせることができないようにする。