マツモトキヨシPhoto:Diamond

コロナ禍が3年目に突入し、多くの業界や企業のビジネスをいまだに揺さぶり続けている。その対応力の差によって企業の業績は、勝ち組と負け組の格差が拡大している。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はウエルシアホールディングス、ツルハホールディングスなどの「ドラッグストア」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

マツキヨココカラ
経営統合で6割増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のドラッグストア業界5社。対象期間は21年9~12月の直近四半期(ウエルシアホールディングス、ツルハホールディングス、スギホールディングスは21年9~11月期、その他2社は21年10~12月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・ウエルシアホールディングス
 増収率:6.1%(四半期の売上高2481億円)
・ツルハホールディングス
 増収率:マイナス0.9%(四半期の売上高2268億円)
・スギホールディングス
 増収率:5.6%(四半期の売上高1516億円)
・マツキヨココカラ&カンパニー(旧マツモトキヨシホールディングス)
 増収率:60.3%(四半期の売上高2309億円)
・サンドラッグ
 増収率:0.4%(四半期の売上高1649億円)

※ツルハホールディングス、サンドラッグは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。

 前年同期比で6割超の増収となったマツキヨココカラ&カンパニーは、21年10月にマツモトキヨシホールディングスとココカラファインが経営統合して誕生した。大幅増収はこの経営統合の影響によるものだ。

 では、経営統合の影響を除いた実績はどう変化していたのか。次ページ以降では、各社の増収率の時系列推移を紹介するとともに、マツキヨココカラ&カンパニーの業績について詳しく解説する。