
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック下での自殺の理由を、詳細に検討した結果が報告された。男性では主に仕事のストレスや孤独感、女性では家庭・健康・勤務問題が動機と考えられる自殺が増えているという。宮崎大学医学部臨床神経科学講座精神医学分野の香田将英氏らの研究によるもので、詳細は「JAMA Network Open」に1月31日掲載された。
これまで緩やかに減少傾向であった日本の自殺者数が、COVID-19パンデミック下で増加に転じたことが報告されている。特に女性における自殺者数の増加は、これまでにない傾向である。ただし、パンデミック下で自殺既遂に至った人の動機の傾向は明らかになっていない。COVID-19パンデミック下で増加している自殺理由を明らかにし、自殺予防対策を講じることは、公衆衛生上の重要な課題である。この状況を背景に香田氏らは、警察庁が集計し厚生労働省が公表している自殺統計データを用いて、自殺理由の詳細な検討を行った。