午後のワイドショー「ゴゴスマ」(TBS系)を、東海ローカルから全国の人気番組へと躍進させた立役者であり、近刊『ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方』が話題の石井亮次アナが、3月11日の、TBS「A-Studio+」に出演。これまでの生い立ちや、プライベートの一端を明かした。石井アナが亡くなった父親の教えとして今もずっと守り続けている「コミュニケーションで一番大事なこと」を、『ゴゴスマ石井のなぜか得する話し方』の中から抜粋して紹介する。
挨拶は早いもん勝ち
亡くなった親父はガソリンスタンドを経営していましたが、いつも「挨拶は早いもん勝ちや」と言っていました。
相手が挨拶する前に、先にこっちから挨拶しろよ! と、子どもの頃から繰り返し言われてきたから、今は頭で考える前に反射的に口から挨拶の言葉が出ます。
頭で考えると、
「なんでこっちから挨拶せな、あかんねん」
とか、
「挨拶しても、お前誰?って思われるんちゃうか」
などと考えてしまって出遅れてしまいます。挨拶は、早いもん勝ち。気がついた瞬間に、目が合った瞬間に、とにかく自分からする。スピード勝負ですし、さらに言えば「言うたもん勝ち」でもあると思います。
世の中には、これとは逆で「こっちから挨拶したら負け」と考えている人も、結構たくさんいらっしゃいます。たとえば、上司から部下にはしない、先輩から後輩にはしない、とか。そういう「決まり事」をつくっている人は多いんじゃないでしょうか。
でも、「挨拶に上下なし」でいきましょう。立場や年次が上だろうが下だろうが、関係ない。相手が誰であっても、こっちから挨拶したほうが「勝ち」だと勝手に決めてしまいましょう。
挨拶されてイヤな気持ちになる人はいない
「挨拶にスランプなし」という言葉をタレントの松村邦洋さんから教わりました。これは、「挨拶はどんな時でも悩まずに安定的にできる」というような意味でしょうか。以前、嘉門達夫さんのパーティの時だったと思いますが、松村さんのほうから若輩者の僕に「石井くん、いつも見てるよ!」と気軽に話しかけてくださった時の嬉しさと合わせて、大事にしている言葉の一つです。
「おはようございます」や「こんにちは」などの日常的な挨拶はまだしも、パーティ会場や楽屋などで、わざわざ行く「ご挨拶」も尻込みする人が多い印象があります。
社会的な地位が高い人はみんなが「ご挨拶にくる」ことに馴れているから、自分から挨拶しに行くという発想がない人がほとんどです。だからこそ、ひょいっと気軽に上下関係なく挨拶ができる人は、ものすごく好印象。期待値とのギャップが大きいから、かなりお得です。
数年前、知人を通じて頼まれて結婚式の司会をした時のことです。新婦のお父さんは大きなゴルフ場をいくつも経営されている地元の名士でしたが、気軽に僕の席まで来て「今日はありがとうね」と頭を下げてくださいました。こんな若造(当時)に、と感動したので、やっぱり今もそのお父さんのことは「ええ人やったな」と覚えています。
挨拶されるのって、だから、絶対嬉しいはずなんです。いつでも誰にでも、自分から笑顔で挨拶しましょう。それだけで相手をいい気持ちにさせてあげられる可能性が高いです。