「時間」という資産を最大限に活かすには、
長期投資がベスト

 ですから私が提案したいのは、この「長期投資」を行うことで、今貯金が少なくても、親が資産家でなくても、将来、自分の力でお金に困らない人生を手に入れませんか、ということです。

 将来の不安や見通しが立たない状態の中で、利息もつかない預貯金にお金を預けっぱなしにしていたら、いつまで経ってもお金の不安から逃れることはできません。そのような不安を解消し、人間にとって一番大事な「時間」という資産を最大限に活かすには、長期投資しかありません

 そして、この投資をおそるおそる始めてみようという人たちを後押しする制度が、2018年1月から始まった「つみたてNISA」です。この制度は、2021年6月末時点で417万5430口座になったと発表されました。しかも、20代、30代の割合が全体の47.6%と高いのが特徴です(下図)。

 ちなみに、この「つみたてNISA」に対して、2014年1月からすでにスタートしているNISAの20代、30代の割合は全体で13.9%と、つみたてNISAの半分にも満たないのです。

 逆に60代以上の割合が53.3%となっています。つみたてNISAは若い世代に支持されている制度なのです。

中野晴啓(なかの・はるひろ)
セゾン投信代表取締役会長CEO
一般社団法人投資信託協会副会長、公益財団法人セゾン文化財団理事
1987年明治大学商学部卒業、クレディセゾン入社。2006年セゾン投信を設立。2020年6月より現職。
つみたてで、コツコツと資産をふやす長期投資を提言、国際分散型投資信託2本を15年以上運用し、
個人の長期資産形成を支えている。客観的な定量評価を行う複数のファンドアワードで連続受賞。
口座開設数16万人、預かり資産4700億円を突破。
主な著書に『最新版 投資信託はこの9本から選びなさい』『投資信託はこうして買いなさい』他多数。