株価の動きを予想するのは非常に難しい。投資初心者が「今は買い時だ」などと考えること自体、自信過剰の表れともいえるのだ。自分だけの判断で初心者が株価を予想すると、悲惨な結果が待っている。(経済評論家 塚崎公義)
自分だけで判断せず
堅実に積立投資を
本稿の内容は、投資初心者には株価は予想できない、というものであるが、決して「予想できないから投資はするな」というつもりはない。自分で判断せずに、淡々と投資信託の積立投資をするべきなのだ。
なぜなら、株式投資の期待値は預金より高く、預金がインフレに弱い一方で株式はインフレに強いので、預金と株式をバランス良く持つことで、最悪の事態を避けることができるからだ。
短期的な株価変動は
美人投票の世界
株価の長期的な変動は、企業の成長などによる。一方、短期的な変動は、市場のうわさや思惑によるものだ。企業の価値が変化しなくても価格が変化するのは、人々が「あの株は値上がりしそうだ」と考えて買い注文を出すからであり、それを予想するには「人々が株価の値上がりを予想しそうだ」ということを予想する必要がある。これは至難の業である。
株の短期投資でもうけるためには、真実を追求するのではなく、他の投資家が何をするのかを予想して、自分も同じことをするべきだ、というのがケインズの美人投票論である。しかし、プロたちの投資家動向に関するうわさ話の輪に加わっていない投資初心者にとっては、市場のうわさを予想するのは容易ではない。
プロの予想の平均値が
現在の株価になる
例えば、ある株が1000円で売買されているとする。