年金受給者への「臨時給付金5000円案」に隠された、政府の甘くて怖い罠Photo:PIXTA

年金受給者への臨時給付金の思惑は
「選挙前の人気取り」とは言い切れない

 2022年3月15日、自民・公明の与党幹部は約4000万人の年金受給者らを対象に臨時給付金を配る案をまとめ、岸田文雄首相に実施を提言しました。一人あたり5000円の給付案が浮上しているといいます。

 新型コロナの影響で、我が国全体の賃金が低下しました。公的年金の支給額は賃金と連動して下がるために、22年度は引き下げが決まっています。5000円はそれを補うための支援策ですが、生活に困っているのは賃金をもらう現役世代の労働者も同じはずです。

 今年6月には参議院選挙が公示される中で、高齢者全員に給付金をばらまくのは露骨な選挙対策だという批判も上がっています。確かに、年代別に与党の支持率を確認すると、50〜60代と比べて70代は若干高いので一見、そう見えるのはその通りなのですが、実はこの話、それだけの単純な話ではありません。ちょっと怖い話です。