年金 老後不安の真実#3Photo:takasuu/gettyimages

今、二つの年金制度改革案が検討されている。一つが年金の給付水準を調整する「マクロ経済スライド」の適用期間の統一。もう一つが基礎年金の加入期間の延長だ。二つの改革であなたの老後不安は解消されるのか。特集『年金 老後不安の真実』(全7回)の#3では、二大改革の実効性を徹底検証した。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

このままでは現在でも低い
基礎年金の給付水準がさらに低下

 6万5075円。これは、国民年金(基礎年金)に40年間加入して受け取る現在の受給金額(月額)である。

 国民年金はもともと自営業の人向けに創設された年金であり、老後も働くことが前提になっているため、サラリーマンが加入する厚生年金に比べ、受給額が少額でも問題ないとされてきた。しかし、現在は、厚生年金に加入できない非正規雇用の人たちも加入している。

 この国民年金だけでは、年金加入者の老後の生活を支えることが難しいというのは明らかであるが、実は現行の年金制度では、国民年金の給付水準がさらに大きく切り下がっていくことになる。

 それはなぜなのか。次ページで、年金給付水準の低下に待ったをかける二つの年金制度改革案を徹底検証しつつ、説明していく。