中高年上司が今すぐ捨てるべき「10の固定観念」、厄介な成功体験の壁を超えるには?写真はイメージです Photo:PIXTA

デジタル化が加速しビジネス環境が大きく変わる中、中堅・ベテラン社員はこれまで培った知識や過去の成功体験にとらわれず、時にはそれらを捨て去って新たなスキルを得ることが重要といわれる。しかし重要なのは「捨て去る」ことではなく、残すべきものと潔く捨てるものを取捨選択することだ。何を捨て去るべきなのか。また、中高年がキャリアのために学ぶ上で重要なポイントとは何か。(FeelWorks代表取締役/青山学院大学兼任講師 前川孝雄) 

「リスキリングブーム」に
翻弄されるな

 今、ビジネスパーソンの間で「リスキリング」というワードが流行語になっている。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)などによるビジネス変革が必至となった。変革を実現する上では中堅・ベテラン社員も含め、新たなスキルの修得が必須であり、そのための学び直しが不可欠である――リスキリングは、このような文脈で論じられているのだ。

 企業の経営者や人事に、今ビジネスパーソンが何を学ぶべきか尋ねれば、多くがAI(人工知能)、DXに関するスキルを挙げる。世界に後れを取るDX推進に、日本は国を挙げて躍起になっている。

 では、全ての中高年世代のビジネスパーソンがこれらを学び、身に付けるべきなのだろうか。私は必ずしもそうは思わない。リスキングブームに翻弄される前に、自身のキャリア武装を冷静に見極めることが大切だ。