ファンドラップにはコストが非常に高い
読者のみなさんやそのご家族の中には、銀行や証券会社の販売員から「退職金をファンドラップで運用しませんか?」と提案を受けた経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
これまで資産運用の経験がなく、まとまった退職金を手にして「せっかくだから運用したほうがいいのかな」と考えている人にとっては、ファンドラップは便利なサービスだと感じられるかもしれません。
しかし、ファンドラップにはコストが非常に高いという問題があります。
各社のファンドラップはさまざまなコストがかかりますが、平均では年間におよそ3・5%程度の管理コストが必要なのです。
この点、ロボ・アドバイザーなら、「お任せ」の運用でも人手を介さないのでコストを低く抑えることが可能です。つまり、ファンドラップのような「お任せ」の運用を、低コストで提供することもできるわけです。
モーニングスター株式会社 代表取締役社長。
1966年生まれ。1989年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社にて資産運用助言業務に従事した後、95年米国イリノイ大学経営学修士号取得(MBA)。同年、ソフトバンク株式会社財務部にて資金調達・資金運用全般、子会社の設立、および上場準備を担当。98年モーニングスター株式会社設立に参画し、2004年より現職。第三者投信評価機関の代表として、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。
主な著書に、『改訂新版 ETFはこの7本を買いなさい』『全面改訂 投資信託選びでいちばん知りたいこと』『つみたてNISAはこの7本を買いなさい』『一生モノのファイナンス入門』(以上、ダイヤモンド社)、『iDeCoで自分年金をつくる』(祥伝社新書)、『お金の未来年表』(SB新書)などがある。