コロナ禍のリモートワークなど生活スタイルの変化により注目されたのが、資産形成に対する関心が高まったこと。特に、20~30代の若い人たちの間で、つみたてNISAの口座開設が急増した。そんな状況の中、つみたてNISA本の決定版ともいえる『最新版 つみたてNISAはこの9本から選びなさい』(中野晴啓著、ダイヤモンド社)が3月16日に発売。本連載では、つみたてNISAを利用して長期投資や資産形成をしてみたいという人に向けて、失敗しないつみたてNISAの賢い選び方・買い方について、同書から抜粋して公開する。「つみたてNISAってなに?」という投資ビギナーの人でも大丈夫。基本的なところからわかりやすくお伝えしていくので、ぜひ、お付き合いください。好評のバックナンバーはこちらからどうぞ。

世界株式への分散投資は、何パーセントのリターンを期待できるか?Photo: Adobe Stock

10種類の資産クラスで、いちばんリターンが高いのは?

 では、世界への長期投資を考えたとして、それは一体どのくらいのリターンを予想すればいいのでしょうか?

 こちらにとても興味深い資料があります。2004年から2020年までの17年間の『資産対象別・年次リターンの推移(2004~2020年)』です。資産クラスによってかなりバラつきがあるのが見て取れるでしょうか(下図)。

 データの作成にあたっては、イボットソン・アソシエイツ・ジャパンという投資情報会社に協力してもらっています。

 資産クラスは、世界株式、米国株式、日本株式、ブラジル株式、中国株式、新興国株式、世界REIT、世界債券、新興国債券、コモディティの10種類に分けてみました。

 ちなみにコモディティとは、金やエネルギー、トウモロコシなどの「商品」に投資するものです。新興国株式があるのに、あえてブラジル株式と中国株式を別建てにしたのは、両国の株式市場に投資するファンドが多数設定・運用されているからです。