17年間で最もリターンが高いのは「中国株式」の10%
実際に数字を見てみましょう。まず、注目していただきたいのが通期のリターンです。一覧表は2004年から2020年までのリターンであり、その年平均を通期のリターンとして表示しました。
そして、17年間を通じて最もリターンが高いのが「中国株式」の10%。
次いで「世界株式」「新興国株式」「米国株式」「ブラジル株式」が同率で8%、3番目が「世界REIT」の6%となっています(図1の右下の箇所)。
この17年間を通じて、平均値では中国株式が最も高いリターンを上げていますから、「それなら中国株式にずっと投資し続けていればいいのでは」という声も聞こえてきそうですが、今一度、各年次のリターンに注目してみてください。
最も顕著なケースとして「ブラジル株式」の推移を見てください。2004年から2007年にかけて、各年次のランキングは1位か2位と堅調に推移したものの、2008年は▲64%でどん底。2009年は132%で絶好調だったのが、2010年は▲6%、2011年は▲26%で再びどん底。
2012年から2015年もさえない展開になり、2016年には59%もの上昇となったものの、2020年には▲24%でまた最下位というように、非常に激しい値動きを繰り返しています。
これは、「中国株式」もやや近い動きをしています。
複数の新興国株式市場に分散投資している「新興国株式」は多少、分散投資効果が効いているのかもしれませんが、それでもかなりの浮き沈みがあります。
タイミングを外せば、リターンはマイナスになるかもしれないのです。このように大きく上昇・下降を繰り返す「ブラジル株式」を持ち続けることは非常に困難です。