環境汚染を招く、抽出コストが高い、パイプラインが足りない。こうした悪条件を備えたカナダ産のオイルサンド(油砂)は投資の提案としては厳しいものがある。しかし1年にわたる原油価格の上昇はカナダ産オイルサンドの採掘企業をキャッシュマシンに変えた。エネルギー価格の高騰で、石油やガスを生産するほぼ全ての企業が恩恵を受ける見通しだ。石油メジャーと米国のシェール企業は昨年、過去最高のフリーキャッシュフローを記録し、今年はそれをさらに上回るとみられる。ファクトセットのアナリスト調査では、S&P500種株価指数のサブ指数を構成する米石油・ガス探査会社のフリーキャッシュフローは前年比35%と、目覚ましい増加が予想されている。しかしカナダのオイルサンド生産会社ではさらに目覚ましく、サンコール・エナジー、カナディアン・ナチュラル・リソーシズ、インペリアル・オイル、セノバスのフリーキャッシュフローは今年、平均で60.5%の伸びが見込まれている。