公務員とサッカー選手では望ましい投資先が変わる

では成長の波に乗るためにどうすればいいかといえば、海外に目を向ける必要があります。世界の人口はまだしばらく増加し続けるからです。

海外の経済成長を取り込むにはどうすればいいでしょうか?

海外にビジネスの基盤を持つ企業に転職するというのが1つの方法ですが、自分が入りたいと思う「いい会社」に転職するには相応の実力が必要で、そう簡単にはいかないかもしれません。

そこで、株式投資です。グローバルにビジネスを展開している企業に投資をし、自分の代わりに「働いて」もらうのです。

このような考え方に基づくと、職業によって望ましい投資先は変わることになります。

たとえば公務員の方の場合、安定した収入は約束されますが、大きく儲かる可能性はありません。給料の中から一部を投資に回すとして、安定的な運用ばかりではバランスがよくないように思います。

自分の人生では味わえないような、ある程度の変動性があって高めのリターンが狙える銘柄に投資してもいいのではないでしょうか。

一方、たとえばサッカー選手の場合、活躍すれば高い報酬が得られる半面、怪我などにより思うように活躍できなくなるおそれもあり、波風の大きい人生にならざるを得ないでしょう。1日に株価が5%も上下するような変動性の高い銘柄に投資すれば、人生でも株式投資でも高いリスクをとることになります。

人生の変動性が大きい人は、成長性はなくても配当をしっかり出す方針を掲げている銀行株などに投資したほうがバランスをとれます。

(本原稿は、伊藤潤一著『東大金融研究会のお金超講義 超一流の投資のプロが東大生に教えている「お金の教養と人生戦略」』から一部抜粋・改変したものです)