ロシア軍がウクライナ侵攻で当初狙っていたとされる数日間での勝利がまぼろしに終わったことで、米高官の間ではロシアが戦略を調整しつつあるとの見方が浮上している。ロシアと西側の間で中立の立場を守るとの要求をウクライナに飲ませるため、交渉で優位な立場を築きつつ、重要な領土目標の達成を目指す新たな戦略へと傾きつつあると指摘されている。  ウクライナ侵攻に関するウラジーミル・プーチン露大統領の目標については、数日で首都キエフを陥落させ、ゼレンスキー政権を崩壊させて親ロ派政権にすげ替えることだ、と米国や同盟国の間では考えられていた。  だが、そのいずれも現時点で実現に至っていない。