ロシアは、西側諸国の制裁に対する経済的抵抗力を高めるため、何年も前から輸入品への依存度を下げようと努めてきた。ロシアのウクライナ侵攻に伴う対ロ制裁の影響を見ると、ロシアの輸入依存度引き下げの努力が奏功していないことがはっきりと分かる。ロシアが依然として輸入に依存し続けていることは、同国が痛みを伴う経済再調整を強いられていることを意味する。ロシアの自動車業界の一部は、外国製部品の不足により閉鎖に向かっている。ロシアの威信をかけた国産ジェット旅客機は、エンジンなど主要部品の供給を海外企業に依存している。外国製のペットフードや医薬品は商店の棚から消えた。「輸入品の国内での代替策は、今回のような制裁の打撃を抑制するという目標の達成に失敗した」。ドイツ国際安全保障問題研究所(SWP)のロシア経済専門家、ジャニス・クルーゲ氏はそう語る。「ロシアの野心的目標は始めから非現実的だった。ロシアのような小規模な経済では、複雑なハイテク製品の自力での生産は不可能だからだ。端的に言って不可能だ」と指摘。外国製品を国産品と入れ替えるには長い年月がかかると付言した。