ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナに軍事侵攻した結果、冷戦時代のフレーズが方々で聞かれるようになった。モスクワとの緊張の高まり、西側軍事同盟の新たな結束、国防費の増加、さらには核戦争の可能性を巡る一抹の不安などだ。さらに最近耳にするのがこの言葉だ。米国は今や、レアルポリティーク(現実政治)の時代に戻るべきかどうかを判断する必要がある。すなわちロシア(ソ連)というより重大な危険に立ち向かうため、道義に反する政権と嫌々ながら良好な関係を築いていた頃のことだ。米バイデン政権は、ベネズエラやサウジアラビア、イラン、独裁的な一部の欧州諸国との関係において、次第にそのような選択に直面しつつある。さらに現在、(冷戦時代と同様に)それにも増して米国に大きくのしかかる問題は、ロシアの脅威を相殺するために、政策に懸念のある中国との関係改善に乗り出すべきかどうかだ。