最高のリーダーは、チームの仕事をシンプルにするPhoto:PIXTA

最高のリーダーとは、仕事をシンプルにする力がある人のことです。花王での26年間の経験をもとに、現在はコンサルタントとして経営層・幹部研修などで数多くのリーダーを指導する阿比留眞二氏の新著『最高のリーダーは、チームの仕事をシンプルにする』からの抜粋で、仕事をシンプル化し、それを確実に実行して結果を出す「課題解決」のメソッドをレクチャーします。

一流のリーダーは「全体最適」、
二流は「部分最適」で考える

 一流のリーダーは、常に「全体最適」を考えながら物事を判断し、優先順位を決めます。

 一方、二流以下のリーダーは、知らず知らずのうちに「部分最適」の考え方で物事を判断し、優先順位を決めてしまうのです。

「部分最適」とは、個々の業務を最適化することです。一方、「全体最適」とは、仕事全体の効率や生産性を最適化することです。

 自動車を製造する工場のラインで考えてみてください。そこにはボディを組み立てたり、タイヤを取りつけたりと、さまざまな工程があります。

 では、生産性を50%上げるとして、ボディを組み立てる役割を担うところの生産性が、150%の力を出せば全体の目標を達成できるかといえば、そうではありません。前後の工程に影響を受けるからです。前工程、中工程、後工程があるのですから、その工程全体を見て、ラインを動かさなければ、どこかの工程がストップしてしまうことになります。各工程の質やスピードを全体の生産性が上がるよう設定することによってすべてがいい流れになるのです。