◇「大切だけれど緊急ではないこと」に時間を使う

 朝の習慣に適しているのは、先延ばしにされやすく、時間を決めなくてもかまわないものだ。加えて、意志力がないとできないものにするとよい。要するに、面倒くさくてやりたくないけど、それでもきちんと続けていけば、長期的に大きなリターンを得られるような活動だ。

 誰よりも成功している人は「キャリアの発展につながる行動」「豊かな人間関係につながる行動」「自分を育てる行動」を朝の習慣にしている。それぞれについて解説しよう。

 まず「キャリアの発展につながる行動」。タイムログをつけると、突発的なミーティングなどで、仕事がしょっちゅう中断されていることに気づくだろう。

 一方、朝の時間はじゃまされない。だからこそ、この時間は集中力が必要な仕事に使うべきだ。1日の仕事の優先順位を決め、朝は最優先の仕事に取り組む。そうすれば、後で何度もじゃまをされても、余裕を持って対応できるだろう。

 次に「豊かな人間関係につながる行動」。税理士のキャサリンは、帰宅がいつも遅くなり、娘との時間が十分に取れないことに不満を感じていた。

 そこで著者は、夜は早く寝て、朝の時間を「ママと娘の時間」にすることを提案した。ポイントは、朝に2人で何をするか、事前に決めておくこと。そうすれば、朝起きるのが楽しみになる。

 最後は「自分を育てる行動」だ。企業幹部の多くは朝の時間を使って運動をしているようだ。アパラチア州立大学が行ったある研究によると、朝起きてすぐに運動する人は、その他の時間に運動する人に比べて、寝つきがよく、熟睡できるという。朝のほうが運動を習慣化しやすく、体を動かしたあとは頭がすっきりして仕事の生産性が上がるというメリットもある。

◇朝の時間に革命を起こす5つのステップ

 著者がいろいろな人の朝の習慣を調べた結果、朝の時間を最大限に活用するには、次の5つのステップが必要だとわかった。

(1)時間の使い方を記録する

 時間を有効に使うために、自分の時間の使い方を知ることから始めよう。記録は、なるべく頻繁に、なるべく詳しく、朝だけでなく1週間の168時間をすべて記録する。朝の問題を解決するカギは他の時間に隠されていることが多いからだ。朝から疲れているなら、もっと早く寝る必要があるだろう。