「父親育児で子どもの自己肯定感は爆上がりする!」。そう語るのは、日米で学習塾を経営し25年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成しているTLC for Kids代表の船津徹氏。本記事では子育て世代で話題沸騰中の新刊『「強み」を生み出す育て方』に掲載しきれなかった原稿を独占公開。25年間の塾経営でたどり着いた【父親育児のすごい効果】をお届けする。
子どもの自己肯定感→「父親育児」で爆上がり!
今回はあえて、「父親の育児」についてお話します。
誤解のないようにお伝えしておきますが、子育てや教育において「父親にしかできないこと」はありません。あくまでも父親が育児参加する時の「関わり方」についてお話しできればと思います。
モントリオール大学の心理学者、ダニエル・パケット博士は、父親と活発な遊びを多く経験した子どもは、不慣れな環境においても果敢にチャレンジしていく傾向が強くなるという研究結果を報告しています。
また「父親が擁護的である場合、子どもは友だちから受容され、友だち関係が良好になる」(Lynn 1979)という研究が明らかにしているように、父親の育児参加は、子どもの「やる気」や「人間関係」の形成に影響します。
父親の関わり方は子どもの成長時期によって変わっていきます。
まず子どもが心の土台(情緒や性格の方向性)を形成する2歳頃までは、子育ての主役は母親であり、父親は「母親のサポート役」です。
当然ですが、サポート役というのは何もしなくていいという意味ではありません。買い物、掃除、炊事、食器洗い、ゴミ出し、オムツ交換、沐浴の手伝いなど、母親でなくてもできる家事や育児のすべてを、父親は率先して最大限に行いましょう。
特に、誕生直後の父親の育児参加は母親にとって大きな支えとなります。産後うつは多かれ少なかれ、出産後の全ての母親に起こる現象です。母親が落ち込んでいたり、イライラしていると、子どもへの対応がどうしても冷たく、刺々しくなり、子育てにとって良い影響は何一つありません。
父親の役割は、母親が穏やかな気持で子どもに向かい合えるように環境を整えてあげることです。
家事や育児の雑用に加えて、母親のグチを聞いたり、母親に自由な時間を作ってあげたりすると、母親の精神が安定し、やさしくリラックスした気持ちで子どもに向かい合えるようになります。
子どもの身体がしっかりしてくる2歳〜3歳以降は、父親が直接子どもと関わる場面が増えていきます。お馬さんごっこ、おんぶ、肩車、相撲など、身体が密着する(やや荒っぽい)遊びをしたり、家の外で一緒に身体を動かしたり、魚取りや虫取りをしたり、いつもとは違う場所で、いつもとは違う人と、いつもとは違う遊びを経験させるのに、父親は適任です。
子どもは父親との活発な遊びを通して、どこまでの乱暴が許されるのかを父親の表情や声の変化から読み取る力=社会性を身につけると言われています。
一人っ子が増えた今は、兄弟姉妹がぶつかり合って社会性を学んでいく場面が少なくなりましたから、尚更、父親の役割が重要になっているのです。
子どもの社会性を育てるといっても難しく考えることはありません。父親は自分が好きな遊びやアクティビティを、子どもと一緒に楽しめばいいのです。父親との遊びを通して、自然に触れ合い、身体を動かし、多様な人と関わる経験は、子どもの有能感を高め、自己肯定感を大きく育ててくれます。
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子育て成功のカギは「強み育て」にある
子どもが社会の変化に翻弄されずに、自分らしく幸せに生きていくには、失敗や挫折に負けない「たくましさ」を確立しなければなりません。一生ものの武器になるたくましさですが、どのように育てれば良いのでしょうか?
たくましさが育つ要因は、家柄、血筋、遺伝ではありません。もちろん親の学歴や職業も無関係です。「子どもの潜在的な強みを引き出すこと」でたくましさは育つと断言できます。
つまり、子育てで最優先すべきは「強み育て」なのです。強みは、音楽でもスポーツでも勉強でも、なんでもいいのですが、習い事は強みを育てる最高のチャンスになります!だから習い事選びは「子育て成功」に直結するのです。
そこで「わが子にピッタリの習い事を詳しく知りたい!」という方のために、著書『「強み」を生み出す育て方』ではオリジナル診断を掲載しています。気質×才能の25タイプ別診断で「わが子にピッタリの習い事」がカンタンにわかります!