ひろゆきが教える「仕事はオリジナリティよりスピードで決まる」そのワケとは?ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の代表作『1%の努力』では、「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語っている。この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

アイデアよりも重要なこと

 仕事で重要なものは、何でしょうか?

 斬新なビジネスアイデアでしょうか?
 ユニークな人材でしょうか?
 それとも、営業力?

 ビジネスで勝つためには、そのどれでもなく「スピード」です。それについて、語っていきましょう。

「後発」のほうが有利?

 ビジネスはすべて、どこかの企業がアイデアを実行するところから始まります。

「ネット上にコミュニティサイトを作ろう!」
「簡単に美味しいパンを量産できる機械を作ろう!」

 というように、誰かがアイデアを思いつき、それを実行します。

 そして、いち早く実現できた会社が、うまくいき始めるでしょう。

 しかし、ここで問題が起こります。

 それが「後発で始める人との競争」です。

 どんなアイデアも、残念ながらパクられる運命にあります。

「あそこのビジネスはうまくいっているな。じゃあ、ウチでも始めてみよう!」という会社が必ず現れます。

 しかも、先に進めている企業の弱点などを外から研究しているので、後発のほうが有利だったりもします。

 特許をとるような発明は別ですが、ほとんどのビジネスでのアイデアなんて、そんなに価値がないということです。

最後は「スピード」で決まる

 その後、いくつかの会社で「競争」が起こります。

 カップヌードルを発明したのは日清食品の安藤百福さんですが、じゃあ、いま日本でカップヌードルを作っている企業は1つだけでしょうか?

 そんなことないですよね。さまざまな会社がしのぎを削って競争しています。

 どんなアイデアも、最後は「スピード」で追いつかれます。

「スピード」とは、改善する回数です。まず作ってみて、失敗して、やり直す。その試行錯誤を何回くり返せるかです。

 ここでアイデアにあぐらをかいていると、あっという間に追いつかれます。童謡の「ウサギとカメ」とまったく同じ構図ですよね。

 どんなにアイデアに自信がなくても、先を越されても、ちゃんと試行錯誤をすれば、追いつけますし、最後は勝てます。

 いま日本で大企業になっている例を調べてみてください。多くの企業で、後発だったにもかかわらずライバルを追い抜いていったものがたくさんあるはずです。ということで、改善スピードが速い会社を作ったり、そういうチームになったほうが勝てるという話でした。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。著書に、44万部を突破したベストセラー『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。