仕事や学習の成果に大きく関与する「自己肯定感」。昨今は教育界でも、自己肯定感を育むことの大切さが声高に言われるようになっている。しかし、自己肯定感が高く、自信がある人というのは、いわゆる“ナルシスト”とはどう違うのだろうか?(スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長 星 友啓)
※本記事は星友啓『全米トップ校が教える自己肯定感の育て方』(朝日新書)から一部抜粋、再編集したものです。
あなたはどんなときに自己肯定感を感じますか?
「自己肯定感」とひと口に言っても、さまざまな考え方があります。
テストでいい点を取ったり、売り上げ目標を達成したりした時に自己肯定感を感じる人もいるでしょう。ステータスや容姿について他人からほめられた時に感じる人もいるかもしれません。このような他人との比較による「外発的な報酬」を得ることで、ポジティブな気分になり、自分を肯定する気持ちが高まるのはごく当たり前です。
しかし、さまざまな研究結果から、「外発的な報酬」に依存した自己肯定感は短期的には強いものの、長期的には総合的な自己肯定感が低くなりがちで、うつや不安を抱えやすいことが分かっています。
ではどうしたらいいのか? 求める「自己肯定感」の一つ目はポジティブな自分も、ネガティブな自分も、ありのままの自分を受け入れる、つまり「自己受容」することです。