世界各国から石油を確保しようと奔走するジョー・バイデン米大統領に対して、政界の各方面から風当たりが強まっている。野党・共和党は、ロシアのウクライナ侵攻で、世界の化石燃料への依存が浮き彫りになる中でも、バイデン氏が米石油業界をたたき、代替エネルギー源を促進しているとして批判してきた。バイデン氏は欧州のロシア産ガスからの脱却を支援するため、米国からの液化天然ガス(LNG)の輸出拡大を発表するなど、ここにきて軌道修正している。だが、こうしたバイデン氏の方針転換は、化石燃料からの移行という公約から後退しているとして、進歩主義派が懸念を強めている。また、バイデン政権がベネズエラやサウジアラビアといった専制主義的な産油国に増産を働きかけたことについても、民主党内では不満が高まっている。