コロナ禍が3年目に突入し、多くの業界や企業のビジネスをいまだに揺さぶり続けている。その対応力の差によって企業の業績は、勝ち組と負け組の格差が拡大している。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は任天堂、ネクソンなどの「ゲーム」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
ネクソン、カプコンは
前年同期比2ケタ減収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のゲーム業界5社。対象期間は21年10~12月期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・任天堂
増収率:9.6%(四半期の売上高6959億円)
・ネクソン
増収率:マイナス18.3%(四半期の売上収益543億円)
・バンダイナムコホールディングス
増収率:13.7%(四半期の売上高2347億円)
・カプコン
増収率:マイナス20.3%(四半期の売上高182億円)
・スクウェア・エニックス・ホールディングス
増収率:29.4%(四半期の売上高1047億円)
※任天堂、バンダイナムコホールディングス、カプコン、スクウェア・エニックス・ホールディングスは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。
ゲーム5社では、任天堂、バンダイナムコホールディングス、スクウェア・エニックス・ホールディングスの3社が前年同期比で増収、ネクソン、カプコンが減収だった。ネクソンとカプコンの2社が前年同期比で2ケタ減収に陥った要因とは何だったのか。
次ページ以降では、各社の増収率の推移を紹介するとともに、2社の減収の背景を解説する。