――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  日銀は債券の投機筋との闘いで初戦を制した。だが、それがもたらした円安加速という結果は、日銀にとって闘いが終わっていないことを意味している。  日銀はこの1週間で、低金利政策を堅持する姿勢を鮮明にした。他の主要中銀に追随して日銀も金融引き締めに動くとの思惑から、債券利回りを押し上げる動きが広がっていたためだ。日本国債10年物の利回りは3月初旬の0.17%から、同月28日の取引では一時0.25%を上抜けた。これは日銀が「長短金利操作(イールドカーブコントロール、YCC)」政策の下で上限としている水準だ。