「リンパ系」は「下水道」のようなもの
リンパ系は下水道のようなもので、身体中から液体(リンパ液という)を集め、身体のあちこちにあるリンパ節という小さな組織の塊で濾過する。
リンパ節は、リンパ球という白血球の一種も作っている。リンパ球は、リンパ節を通過する血液の中にいる病原体を攻撃して除去する。首にはリンパ節がたくさんあり、病気になるとリンパ球が増えて腫れることがある。
病気
ヒトの病気にはさまざまな原因がある。病原体とそれが引き起こす病気をいくつか挙げよう。
・ある種のウイルスは、インフルエンザ、風邪、ポリオ、はしか、いぼ、AIDSを引き起こす。
・ある種の原生生物は、マラリア、赤痢、ジアルジア症を引き起こす。
・ある種の菌類は、水虫や膣カンジダ症などの病気を引き起こす。
細菌は抗生物質で殺して体内から排除できるが、ウイルスは一度感染すると体内に一生留まりつづけることもある。
感染症
友達から風邪をうつされるのは、その友達から君にウイルスが乗り移ることにほかならない。感染症とは、感染した個体から別の個体へうつる可能性のある病気のことである。感染症の中には、空気、水、食べ物を介して、または物理的接触によってうつるものがある。AIDSなどは、血液などの体液を介してうつる。細菌やウイルスは、ドアノブや手すりなどの表面でも生きていられる。感染症にかからないためのもっとも簡単で効果的な対策は、手洗いである。
非感染症
非感染症とは、病原体が原因ではなく、ヒトからヒトへうつらない病気のことである。糖尿病、遺伝性疾患、がんは、すべて非感染症である。がんは、DNAが変異して細胞増殖のコントロールが利かなくなり、がん細胞のコピーが次々に作られていく非感染症である。がん細胞は増殖してやがて腫瘍を作り、身体の正常なプロセスを脅かす。がんと闘うには、手術、化学物質、放射線などを使って、がん細胞を切除したり殺したりする。
(本原稿は、『アメリカの中学生が学んでいる14歳からの科学』から一部を編集・抜粋したものです)