SMBC日興証券の相場操縦事件で、医療系の「アズワン」が狙われた理由Photo:123RF

「イチローさんに聞いてみたら?」なんていう言葉がネット上に登場している。ご存知、「SMBC日興証券」のテレビCMで「プロフェッショナルはどうあるべきか」「イチローならどうする?」と語っているのを皮肉ったものだ。

 3月下旬、東京地検特捜部がSMBC日興証券の元幹部5人を証券取引法違反(相場操縦)容疑で逮捕、起訴。さらに三井住友銀行出身の副社長も逮捕した。

 保有株を売りたい大株主のために法人や大株主を担当するエクイティ・プロダクト・ソリューション部が市場外で買い取り、上得意の投資家に売却する「ブロックオファー」を用意。市場外で取引するのは市場で大量の株式を売却すると株価が暴落するからだが、この際、情報を共有する株式売買部門のエクイティ部が市場の終わる直前に大量の買い注文を出して株価を吊り上げた、という株価操作容疑だ。

 対象となった銘柄は小糸製作所、モスフードサービス、ファイバーゲート、京葉銀行、アズワンの5社に、大正製薬ホールディングスなどが噂に上っている。大正と違い、アズワンは一般の知名度はいまひとつだが、大学や製薬会社の研究者の間ではよく知られた医療系企業。図らずも金商法違反事件で注目の的となってしまった。