世界最先端の革命的認知症治療に取り組む、認知症研究30年超の医学博士。
白澤卓二氏が、患者への指導はもちろん、自身が健康長寿をまっとうするために実際に取り組む食事法を紹介した健康レシピ本『認知症専門医が毎日食べている長寿サラダ』が完成した。
私たちはどうしたら、健康で長生きできるのでしょうか。
この連載では、食事を通して健康長寿を目指す方法をお伝えしていきます。
免疫細胞を元気にする
免疫ビタミンをとろう
免疫細胞・マクロファージはストレスに弱いという弱点があるのですが、その弱点を補ってくれるのが「LPS(リポポリサッカライド)」です。LPSは免疫ビタミンとも呼ばれ、マクロファージを活性化する物質です。土の中に多く存在する細菌に由来しているため、土壌細菌が多い畑での農作物に多く含まれています。このLPSを味方につけることが、病気を防ぎ、健康で長生きするためには重要になってきます。
LPSはマクロファージを活性化するだけでなく、直接脳に入り込んで、脳のマイクログリアという細胞を刺激します。マイクログリアは認知症の原因物質、アミロイドβを食べてくれる細胞です。マイクログリアがうまく働かないと、アミロイドβがたまってしまい、認知症の原因に。LPSが今、注目を集めているのは、こうした働きによるものです。
●免疫ビタミン・LPS(リポポリサッカライド)のおもな働き
野菜や穀物に多く含まれる、菌由来の成分。マクロファージに働きかけ、活性化させる成分のトップランナー。免疫ビタミン・LPSが助けに入ると、免疫細胞・マクロファージが元気にパワーアップします。
本原稿は、白澤卓二著『認知症専門医が毎日食べている長寿サラダ』からの抜粋です。この本には、脳と体を健康にする「長寿サラダ」のレシピを多数収録しています。一皿で栄養満点のおいしいサラダで脳と体をリセットしてみませんか?(次回へ続く)