ダイヤモンド決算報#電力ガスPhoto:PIXTA

コロナ禍が3年目に突入し、多くの業界や企業のビジネスをいまだに揺さぶり続けている。その対応力の差によって企業の業績は、勝ち組と負け組の格差が拡大している。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は関西電力、中部電力などの「電力/ガス」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

燃料価格高騰の影響は?
電力/ガス4社はいずれも増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の電力/ガス業界4社。対象期間は21年10~12月期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・関西電力
 増収率:1.4%(四半期の売上高6909億円)
・中部電力
 増収率:0.9%(四半期の売上高6664億円)
・東京ガス
 増収率:26.8%(四半期の売上高5149億円)
・大阪ガス
 増収率:21.4%(四半期の売上高3933億円)

※4社とも収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。なお、東京電力ホールディングスは会計方針の変更に伴い、前年同期比増減率が非開示のため、掲載を見送った。

 電力/ガス4社はいずれも前年同期比で増収となった。原油をはじめとする燃料価格の高騰を背景に、電気料金の値上がりが続いている。電力会社の経営にはどのような影響が出ているのか。

 実は、増収率に対してはプラスに働いている反面、利益の面で業績に大打撃を与えているのだ。

 次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、関西電力、中部電力の直近四半期における業績を詳しく解説する。