ソフトウエアエンジニアのマイク・バジェノフさん(30)はロシアがウクライナへの侵攻を開始する前、仕事用の新型マックブックと、バイカル湖近辺で計画している撮影旅行向けにスポーツ用多目的車(SUV)を購入する予定だった。だが結局、その金で買ったのは10ポンド(約4.5キロ)のコメとそば粉だった。パソコンは入手できない状況で、車は2倍に値上がりしたためだ。今年は故郷のシベリアの都市クラスノヤルスクから500マイル(約804キロ)離れた親戚の農地で、ジャガイモの作付けを手伝う予定だ。「人生は一時停止状態だ」。バジェノフさんはこう話す。経済制裁の影響がここにきてロシア経済にじわり広がってきた。物価が跳ね上がっているほか、輸入品の入手が困難になっており、ロシア市民は深まる苦境に身構えている。また外国企業によるロシア事業の凍結で雇用が失われ、さまざまな産業が衰退しつつある。
ロシアの市民生活を直撃、制裁の痛みに身構え
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