第1位は21年も京都大学で、就職人数は110人と前年より11人増えた。一方で京都大学医学部附属病院は18人と前年より19人減り、7位となった。増減の理由はわからないが、やはり京大生の多くが京大関連に就職する傾向は変わらない。

 京大関連への就職が多いのは、東大のケースと同じく、研究・労働環境が恵まれていることが大きいだろう。特に京大は「世界的に卓越した知の創造を行う」ことをモットーとしており、あらゆる学問の研究環境が整っていることで知られる。また直近では、長引くコロナ禍によって就職活動をセーブしたり、企業への就職を様子見したりする学生が増えている可能性もある。

 第2位は関西電力、3位三井住友銀行、4位は同率で楽天グループ、アクセンチュア、6位ソニーグループと、上位には前年と似た顔ぶれが並ぶ。東大と同じく、京大でもコンサルへの就職人気がとりわけ高まっているという。

 また、関西系企業への就職はやはり多い。関西電力以外にも、パナソニック、住友化学、NTT西日本、ダイキン工業などは、就職先ランキングの常連企業となっている。

 東大の就職先でも官公庁がいくつかランクインしたが、京大では国土交通省が15位に入った。

 東大に集まる学生は「秀才型」、京大に集まる学生は「天才型」と言われることがある。京大生は、社会に出てからも「地頭が良く個性的」と言われる人が多いようだ。彼らの才能が、長年にわたって日本を代表する企業・団体を支え続けている。

*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。

【ランキング表の見方】
2021年春の大学別の主な就職先。就職先(企業・団体)の名称は、原則としてアンケート調査時点の各大学の回答による。また、大学通信の調査方法によって表記しているため、正式名称と異なる場合がある。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。大学院修了者を含む。(調査/大学通信)