見た目がさえない、話も突飛――そんな「はみだし者」との出会いを見送っていませんか。最高の機会ほど、意外な人脈からやって来る。慣れたネットワークの外へ、一歩出る準備はできていますか?
楽天グループ代表取締役会長兼社長・三木谷浩史氏をはじめ、Google元会長やZoomの創設者も絶賛する世界的ベストセラー『1兆ドル思考 世界一流の成功をもたらす9原則』をもとに解説します。

はみだし者との出会いが未来を変える
もし変わったアイデアの持ち主を紹介されたら、あなたはどうするだろうか。
将来のディスラプター(創造的破壊者)候補に会う機会があったとしても、たいていの人はそのアイデアを退ける。この問題は、フォーチュン500企業の経営者、各分野の専門家、一般の投資家を含め、誰にでも当てはまる。
「よれよれの黒いTシャツに紺のパーカーを羽織ったこのオタクは、15分間一緒に過ごす価値があるほど重要な人物だろうか」とあなたは自問するだろう。
そして結局、「いや、無視しよう。いまものすごく忙しいのだから」と考えるのが普通だ。
だが、成功しているベンチャーキャピタリストは違う。彼らは、自らのネットワークを多様化し、興味深い人々やそのアイデアに触れるためのたゆまぬ努力の一環として、めずらしい出会いをすすんで受け入れるのだ。
セコイアの投資家ドン・バレンタインが初めてスティーブ・ジョブズに会いに行き、新型アップルコンピューターを視察したとき、ジョブズは裾が切りっぱなしのジーンズにサンダルといういでたちで、髪を肩まで伸ばし、ホー・チ・ミンのようなあごひげを生やしていた]。
バレンタインはその後、紹介者に「なぜ君はこのはみだし者を私に会わせたんだい?」と尋ねた。
それでも、バレンタインはデューデリジェンスを続け、最終的にアップルの投資家になった。
急速に変化する不確実性とディスラプションの世界では、自分にとって最高の機会がどこからもたらされるかわからない。
ずっと以前に形成した人脈には気安さという利点はあるが、何もかもがあまりに似通っていて、どれも同じように賞味期限切れになっているかもしれない。
あなたのプロフェッショナルネットワークが同じ経歴や経験を共有する人たちで構成されているなら、非凡で革新的なアイデアに出会う可能性は低い。
仮に出会ったとしても、あなたのネットワークにいる人たちは一様にそのアイデアを却下するかもしれない。
私たちが行ったワークショップの一つでは、欧州のある大手銀行の上級幹部グループに自行の経営陣について評価してもらった。幹部たちは周りを見回して、自分たちの経歴がいかに似通っているかに気づいた。
幹部の大半が同じ四方の壁の内側で仕事上の成長を果たし、長年その銀行に勤務していた。部外者はいない。新しく採用された幹部も競合行の出身者だ。
これでは新しいアイデアの発掘に苦労するのも無理はない。
斬新なアイデアを生み出すには、従業員の経歴を多様化する必要がある。
経歴が違えば、発想も文化も視点も違う。その銀行のリーダーたちには変化を起こす勇気があった。
新たに迎えた上級幹部の一人は、消費財業界の革新的企業から来た経験豊富な幹部であり、その銀行の長い歴史の中で初の異業種からの採用者だった。
並外れた突拍子もない機会ほど、意外なソースからもたらされる可能性が高い。
では、あなた自身の組織やネットワークについて考えてみよう。
仕事で交流のあったおそらく数百人分の名刺を収めた回転式名刺ホルダーを見てみるといい。
いまこそ、あなたの業界や組織以外の誰かに電話をかけて、コーヒーを飲みながら雑談すべきときかもしれない。
新天地を見つけるには、自分の居場所から出ていく必要があるのだ。
(本記事は『1兆ドル思考 世界一流の成功をもたらす9原則』から一部を抜粋・編集しています)






