朝日新聞名物記者が絶賛する“超実用的”文章読本 「愛国者こそ本多勝一に学ぶべき」写真はイメージです Photo:PIXTA

 大学入学や新卒入社など、新たな環境に踏み出す人が多い4月。そこで課題となるのが、レポートやプレゼン資料などを作成する際に求められる文章力だろう。SNS時代となった今では、「読む人にわかりやすい文章」がより求められるが、それだけを目的に書かれた本がある。朝日新聞の伝説的記者、本多勝一氏が書いた文章読本『日本語の作文技術』(朝日新聞出版)だ。本書は、1982年の発売から版を重ね、続編である『実戦・日本語の作文技術』も合わせると累計100万部を超えるロングセラーであり、今もなお売れ続けている。なぜ刊行から40年以上たった文章読本が、今も読まれ続けているのか。本多氏と同じ朝日新聞の記者で、文章術に関する著作もある近藤康太郎氏に本書の魅力について寄稿してもらった。

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 一度だけ、近くでお見かけしたことがある。本社ビルの5階フロアにあった、編集局の社会部であった。なにか、一心に資料のコピーをとっておられた。声をかけようか。1秒の100分の1ほど逡巡したが、すぐに思いとどまった。

 尻込みしてしまったのだ。