全世界で700万部を売り上げた学び直しシリーズ、「Big Fat Notebook」の日本語版がついに刊行! 大栗博司氏(カリフォルニア工科大学教授)「この一冊で、科学の全貌が見渡せる。中学生のころにこんな本がほしかった」、市岡元気氏(教育系Youtuber)「学校で習う理科がこんなにおもしろいなんてアリエナイ!」、吉森保氏(大阪大学栄誉教授)「カラフルで面白い。ノート風なので読みやすい。大人の学び直しにも最適」と各氏も大絶賛。物理・生物・化学・地学の基本を楽しく一気読みできる本として、大きな話題を読んでいる。
同シリーズの科学版『アメリカの中学生が学んでいる14歳からの科学』の発売を記念して、本文の一部を公開する。

アメリカの中学生が学んでいる「資源」の授業【全世界700万人が感動した「科学」ノート】Photo: Adobe Stock

天然資源とはなにか

 天然資源は、自然界に存在していて、私たちや動物にとって有用なものをすべて含む。水、太陽光、食料、空気、石油、綿、金、木は、いずれも天然資源である。天然資源のうち、再生利用できるか、または自然によって速やかに(およそ100年以内に)補充されるものを、再生可能資源という。補充されるまでに何百万年もかかるものを再生不可能資源という。

・再生可能資源:太陽光、木、水、風
・再生不可能資源:金属や鉱物(ダイヤモンドなど)、および石炭、原油、天然ガスなどの化石燃料

 残念ながら、私たちが日々の暮らしで使っているエネルギーの大部分は、再生不可能資源である化石燃料から得ている。人類は環境にとてつもなく大きな影響をおよぼしていて、たびたび汚染を引き起こしている。

土壌汚染と侵食
 アメリカに暮らす平均的な人は、年間およそ630キログラムもの廃棄物を出している。その大部分は埋め立て地に捨てられる。

アメリカの中学生が学んでいる「資源」の授業【全世界700万人が感動した「科学」ノート】

 木を切ったり畑を耕したりすると、その土地が侵食されやすくなる。つまり、雨や川や風によって土壌が失われやすくなる。侵食されると、緩く積もっただけの土壌が流されて河川に流れ込み、水を濁らせる。

 そうなると、プランクトンなどの生物が光合成のための太陽光を受けられなくなり、食物連鎖全体が影響を受ける。さらに、侵食が起こると農地から有害な肥料や化学物質が川や海に流れ込み、生態系全体に影響をおよぼす。

水質汚染
 家庭や農場や工場から出た有害な化学物質は、水源地にしみこんでいく。ときには、下水がそのまま河川に流されることもある。河川が汚染物質を運んで海に流れ込むと、海水も汚染される。オイルタンカーが大規模な石油漏れを起こして、鳥や魚などの生物が何千匹も何万匹も死んでしまうこともある。

アメリカの中学生が学んでいる「資源」の授業【全世界700万人が感動した「科学」ノート】

デッドゾーン
 水を汚染する物質は、水生生物に大問題をもたらす。肥料や下水が流れ込むと、藻類が猛スピードで繁殖する。藻類は死ぬと細菌によって分解され、その細菌が水中の酸素を大量に消費して魚などの水生生物が生きられなくなり、デッドゾーンが発生する。

 地表の約70%が水に覆われているので、水資源に限りがあるだなんてなかなか考えにくい。しかし地球上の水のうち、私たちが飲んだり調理に使ったり風呂に使ったりできる真水はごく一部にすぎない。

 しかも私たちは真水を大量に消費している。平均的なアメリカ人は1日およそ400リットルも使っている。しかも、水を再利用するには処理してきれいにしなければならず、それにも大量のエネルギーが必要だ。