全世界で700万部を売り上げた学び直しシリーズ、「Big Fat Notebook」の日本語版がついに刊行! 大栗博司氏(カリフォルニア工科大学教授)「この一冊で、科学の全貌が見渡せる。中学生のころにこんな本がほしかった」、市岡元気氏(教育系Youtuber)「学校で習う理科がこんなにおもしろいなんてアリエナイ!」、吉森保氏(大阪大学栄誉教授)「カラフルで面白い。ノート風なので読みやすい。大人の学び直しにも最適」と各氏も大絶賛。物理・生物・化学・地学の基本を楽しく一気読みできる本として、大きな話題を読んでいる。
同シリーズの科学版『アメリカの中学生が学んでいる14歳からの科学』の発売を記念して、本文の一部を公開する。
環境保全のための「3つのR」とは
汚染の恐ろしい影響を避けるにはどうすればいいのだろうか? そのためには、汚染物質を減らし、エネルギーの使い方を意識する。環境保全のために従うべき「3つのR」というルールがある。
・Reduce(リデュース):ゴミの量と、消費するエネルギーの量を減らす。天然資源を節約して汚染物質を減らすには、これが最善の方法だ。
・Reuse(リユース):何度でも使える商品を買う。使い捨て商品は、天然資源を大量に消費して余分なゴミを出すので避ける。
・Recycle(リサイクル):リサイクルとは、一度使った材料を再び使えるものに変えて再利用することである。リサイクルをするにはエネルギーが必要だが、全体的に見ればエネルギーを節約できるし、埋め立て地も少なくて済むし、天然資源の消費量も減らせる。リサイクルできるものは、プラスチック、金属、ガラス、紙、堆肥などたくさんある。
リサイクルできる4つの資源
プラスチックの瓶や容器は、ロープ、カーペット、フリース、ペンキのはけなど、さまざまな製品にリサイクルできる。
金属、たとえばアルミ缶、スチール缶、鉄鋼、銅などは、融かして再利用できる。ビルや家庭用品や自動車に使われている鉄鋼の大部分は、リサイクルされている。
ガラス、たとえばガラス瓶は、融かして新たな瓶を作るのに使える。
紙は、トイレットペーパー、ボール紙、紙タオル、新聞紙、ノートなどの紙製品にリサイクルできる。紙のリサイクルは、エネルギーと水の両方の節約になる。
有機物、たとえば果物や野菜のくず、落ち葉、刈った草は、堆肥にして土に返すことができる。埋め立て地を減らせるし、農耕に使える肥えた良質の土ができる。
生物多様性とは何か
生物多様性とは、地球上に暮らす生物と、それらの生物からなる生態系が、多様性に富んでいるという意味である。
野生生物や生態系が土壌の形成や栄養分の循環などによって人間に恩恵をもたらすことを、生態系サービスという。たとえば湿地は、水中の金属の20~60%、および大量の窒素化合物を除去して、水の浄化に欠かせない役割を果たしている。
現在、生物多様性と生態系サービスが危機に陥っていることを踏まえて、湿地の保全や、多様な生物が暮らせるよう特別に環境を整えた自然公園の建設など、人為的に生態系のバランスを保とうという試みが進められている。
地球と人類にとって欠かせない生態系と生物多様性を守るには、実現可能で、社会的に受け入れることができ、科学的に確実な対策を打ち出していかなければならない。
(本稿は、『アメリカの中学生が学んでいる14歳からの科学』から一部を編集・抜粋したものです)