全世界で700万部を売り上げた学び直しシリーズ、「Big Fat Notebook」の日本語版がついに刊行! 大栗博司氏(カリフォルニア工科大学教授)「この一冊で、科学の全貌が見渡せる。中学生のころにこんな本がほしかった」、市岡元気氏(教育系Youtuber)「学校で習う理科がこんなにおもしろいなんてアリエナイ!」、吉森保氏(大阪大学栄誉教授)「カラフルで面白い。ノート風なので読みやすい。大人の学び直しにも最適」と各氏も大絶賛。物理・生物・化学・地学の基本を楽しく一気読みできる本として、大きな話題を読んでいる。
同シリーズの科学版『アメリカの中学生が学んでいる14歳からの科学』の発売を記念して、本文の一部を公開する。

アメリカの中学生が学んでいる「太陽系」の授業【全世界700万人が感動した「科学」ノート】Photo: Adobe Stock

「太陽系」には8つの惑星が含まれる

 太陽系は巨大だ。地球から太陽までの距離は約1億5000万キロメートルもあるが、それでも太陽系全体のごく一部にすぎない。太陽系には、太陽の重力(万有引力)の影響を受けるすべての天体が含まれる。太陽系は、太陽そのものと、そのまわりを公転しているすべての天体からなる。

 8つの惑星のほかに、衛星や小惑星や彗星など無数の天体が含まれる(9番目の惑星があるかもしれない。最近になって、海王星よりも遠くにある巨大な天体の重力が作用している証拠が発見された。でも誰もその姿を見ていない。いまのところは……)。

 地球から太陽までの平均距離をキロメートルで表すと、1億5000万とかなり扱いづらい数値になってしまう。そこで科学者は、この距離を1天文単位AU)と呼んでいる。

アメリカの中学生が学んでいる「太陽系」の授業【全世界700万人が感動した「科学」ノート】
縮尺図:物体の実際の大きさを縮小して図に表したもの

地球型惑星

 太陽に一番近い4つの惑星はいずれも地球に似ていて、地球型惑星と呼ばれる。地球型惑星は地球と同じく岩石でできていて、中心に鉄の中心核がある。多くの地球型惑星の表面には、隕石が衝突してできた穴(クレーター)がある。4つの地球型惑星とその性質は、太陽に近いほうから次のとおり。

水星
・大気がないため、-180℃から430℃と極端な温度になっている。
・地球の月に似ていて、崖やクレーターがたくさんある。衛星はない。

金星
・大きさと質量は地球とだいたい同じ。
・おもに二酸化炭素からなる濃い大気によって熱が閉じ込められていて、表面の温度は約460℃。

地球
・生命が棲んでいることが知られている唯一の惑星。液体の水、大気、オゾン層など、独特の特徴が生命の役に立っている。
・大きな衛星を1個持っている。

火星
・酸化鉄(錆)を含んでいるため赤く見える。
・氷冠、地溝、太陽系最大の火山(オリンポス山)がある。
・おもに二酸化炭素からなる薄い大気がある。
・猛烈な砂嵐が発生し、季節がある。
・フォボスとデイモスという2つの小さい衛星を持っている。

木星型惑星

 太陽から遠くにある惑星を木星型惑星という。いずれの木星型惑星も、中心核は岩石または金属でできているが、大部分は気体でできているため、ガス巨大惑星と呼ばれている。はっきりした表面がなく、地球型惑星よりもずっと大きい。

木星
・太陽系最大の惑星。
・おもに水素、ヘリウム、アンモニア、メタン、水蒸気でできている。
・衛星を70個以上持っていて、その中に太陽系最大の衛星がある(ガニメデという)。
・嵐によってできた白・赤・茶の縞模様がある。大赤斑(巨大な赤い斑点)は巨大な嵐である。

土星
・太陽系で2番目に大きい惑星で、密度はもっとも低い。
・おもに水素とヘリウムでできている。
・氷、石、塵でできた複雑な環がある。
・衛星を80個以上持っている(その中の1つには活火山がある)。

天王星
・大気にメタンが含まれているため、青緑色をしている。
・大気は水素、ヘリウム、メタンでできている。
・衛星を27個以上持っている。
・ほとんどの衛星は氷や岩石でできていると思われる。
・ほかの惑星と違って横倒しになっていて、自転軸が公転面とほぼ平行である。

自転軸;天体の自転の中心となる仮想的な直線

海王星
・太陽から一番遠い惑星。
・天王星と同じく青緑色をしている。
・大気は激しく変化している(嵐からなる斑点がたくさんある)。
・14個以上の衛星と何本かの環を持っている。