小型株集中投資で築いた資産をもとに、入社4年目の26歳でFIRE(経済的自立と早期リタイア)を果たした『投資をしながら自由に生きる』の著者が、「お金と時間の自由」を最速で得るための秘策を伝授! 最小限の時間で場所にも縛られず、極めて自由度が高い状態で仕事を楽しみしながら、経済的自由を謳歌するたった1つの方法を徹底指南する。
ウイスキー投資の世界
近年は世界的に投資を目的とした高級ウイスキーにお金が集まり、「ウイスキー相場」が大きく上昇しています。
2018年には香港のオークションで、サントリーのウイスキー「山崎50年」が1本約3300万円で落札されました。
もともとは2011年に1本100万円で限定150本が販売された「山崎50年」ですが、たった7年で価格が33倍にも跳ね上がったのです。
このウイスキー投資でも、「価値」と「価格」の違いを見極めることが大切です。
ウイスキーが1本100万円という「価格」だけを見ると、それだけで「高すぎる」と思うかもしれません。しかし、150本限定の抽選販売という希少価値の高さ、日本のウイスキーが値上がりしているという背景などを考慮すれば、100万円以上の価値になる可能性は十分に秘めていました。
2020年8月には、同じく香港のオークションで、「山崎55年」が約8500万円という高値で落札されています。「山崎55年」は、1964年以前に蒸留・貯蔵した超長期熟成モルトの原酒のみを使用したウイスキーで、2020年6月に定価300万円で100本限定の抽選販売でした。
こちらも運よく抽選であたって購入することができたら、たった2か月で30倍近くまで価格が跳ね上がったのです。
日本のウイスキーはその完成度や希少性による「価値」の高さに、世界中の投資家から注目が集まっていました。「山崎55年」や「山崎50年」はなかなか手に入らないとしても、比較的入手しやすい「山崎25年」でも取引価格は10年で10倍以上になっています。
一方、ウイスキーの原酒を投資商品として取引するサービスも出現しています。
スコッチウイスキーに投資するイギリスの「ウィスキー・インベスト・ダイレクト」は、2015年にサービスを開始して以来、日本人投資家を含めて取引口座数を増やしています。
最少取引量1リットルの卸売価格から「ウイスキー投資」をはじめることができ、オンラインで購入したウイスキーは、製造元の蒸留所で熟成され、いつでもオンラインで売却できるという仕組みです。2016年には、日経ビジネスで「ウィスキーを年利8%の投資商品にした会社」として紹介されています。
このようなサービスは自分で直接ウイスキーを買うのとは異なり、運営会社の経営リスクなどもあるため、慎重に考慮する必要はあります。しかし、こうしたサービスを提供する会社が出てくるというのは、それだけウイスキー市場が投資対象として世界から注目されているということでもあるのです。