小型株集中投資で築いた資産をもとに、入社4年目の26歳でFIRE(経済的自立と早期リタイア)を果たした『投資をしながら自由に生きる』の著者が、「お金と時間の自由」を最速で得るための秘策を伝授! 最小限の時間で場所にも縛られず、極めて自由度が高い状態で仕事を楽しみしながら、経済的自由を謳歌するたった1つの方法を徹底指南する。
定期収入を狙う投資
投資には、定期収入(インカムゲイン)と、資産の値上がり益(キャピタルゲイン)の2つのリターンがあります。
●株式の配当金 ●投資信託の分配金 ●不動産の家賃
●株式の値上がり益 ●不動産の値上がり益 ●絵画・骨董品・ヴィンテージ
ワイン・高級ウイスキーなどの値上がり益
株式投資では「配当金」、社債や国債の債券では「利子」、不動産投資では「家賃」などが定期収入にあたります。しかし、少額から投資をはじめる個人投資家の場合、定期収入ばかりに目を向けてしまうと、大きな資金をつくるまで、ものすごく時間がかかってしまいます。
たとえば、株式の配当金で「高配当株」とされる銘柄でさえ、年利数%程度です。仮に配当利回り5%の高配当株を100万円分保有していたとしても、得られる配当金は年5万円でしかありません。
年5万円でも不労所得が得られるということ自体は素晴らしいことです。しかし、この投資金額では、「お金と時間の自由」を手に入れるまでの道のりは長くなるでしょう。
配当金は、企業の利益の一部を株主へ還元するもので、たとえば、2020年度のソフトバンクグループ(9984)の1株あたりの配当金は44円でした。仮に1000株保有していれば、配当金を4万4000円もらえる計算になります。
1000株保有するには、1株6290円(2021年10月15日時点)換算で629万円の元手が必要です。値上がり益を得られる可能性はあるものの、年4万円の配当金を得るために629万円を投じるというのは、資金が限られている個人投資家にとって、効率が悪いといわざるを得ません。
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は、2021年3月末時点で約4億6016万株(26.47%)を所有する筆頭株主で、同社株の配当金だけで年間200億円以上得たことになります。
まとまった金額の配当金を得ようとすると、まとまった資金が必要になります。そのための投資資金をつくるという意味でも、個人が数年以内に資産の桁を増やそうと思ったら、「株式への集中投資」による資産増加を狙うことが最も現実的であると私は考えています。
また、企業や国にお金を貸す「債権」という金融商品もあります。
企業は「社債」、政府は「国債」という債券を発行することによって、必要な資金を市場から調達します。そうした債券を投資家が購入すれば、「クーポン」と呼ばれる定期的な利子を得ることができます。
しかし、配当金と同様に、債権を買うことで得られる金利も、まとまった資産があってはじめて効果を発揮します。
たとえば、安全資産の1つとされる10年米国債の利回りは、1.714%(2022年1月6日時点)です。1年間の生活費が400万円と仮定すると、米国債を買うことで安定的に年間400万円のリターンを得るためには、2億3000万円以上の元手資金が必要になります。
もちろん、そんなお金を持っている一般の会社員は少ないでしょう。少ない投資資金で米国債などを保有しても、経済的に自由になるには時間がかかりすぎるため、そもそも手段として適切ではないのです。