現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の代表作『1%の努力』では、「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語っている。この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
「逆張り」は思考停止
世の中、「反メディア」の人たちがいます。
「テレビは嘘つきだ」「新聞は間違いだ」と、メディアが情報操作をしていると決めつける人たちです。
陰謀論にハマっていく人が、よくこの考え方をしがちになります。
なぜなら、メディアの逆張りを信じるだけでいいから、頭を使わなくてラクなんですよね。
「あいつらは間違っている!」と反対だけしていればいいわけです。
ただ、そういう頭の悪い人にならないほうがいいと僕は思うので、反メディアの考え方が身についてしまっていないかどうか、確かめておきましょう。
反メディアの人が間違える問題
試しに、質問があります。
「トランプ元大統領は、コロナワクチンに賛成でしょうか、反対でしょうか?」
いかがでしょう。どっちだと思いますか?
答えは、「賛成」です。
なぜなら、トランプ元大統領がワクチンを打っているからです。
こんな簡単な質問でも、「反対派だ!」と反射的に答える人がいます。
反メディアの人は、「情報操作によってトランプが落選した!」と思い込んでいます。
同じように、反メディアなので、「ワクチンを打たないといけないのはおかしい!」とも思い込んでいます。
つまり、自動的にメディアの逆張りをしているわけです。
その考えがごちゃ混ぜになって、「トランプは私たちと同じように反ワクチン派だ!」と思っているんですよね。
こうやって頭の悪い人が生み出されるわけです。
「正義感」が陰謀論者になってしまう
本来であれば、「メディアは正しいことを伝えようとしている」と考えておいたほうがいい。
その上で、「たまに間違えるから、ちゃんと情報を読み取って判断しておこう」という態度が正しいのです。
でも、それが面倒くさくなると、「メディアは嘘つきだ!」と思考停止してしまうんです。
陰謀論を信じてしまう人は、最初は正義感がきっかけになっているはずです。
それは、メディアが誤報をしてしまったり、恣意的な考えを発信しているのを見かけたことから始まります。
でも、そのまま「メディア」を1つの集合体として捉えてしまうのではなく、「正しいあれば、間違えることもある」という、グレーなものとして見ないといけないはずです。
簡単に白黒をつけず、グレーな状態を受け入れて、つねに情報を咀嚼して自分で考えるクセを身につけましょう。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。著書に、44万部を突破したベストセラー『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。