現政権が抱える
多数の不正疑惑

 朝鮮日報は、民主党が同法案の成立を強行する理由について、「文在寅大統領と李在明(イ・ジェミョン)前京畿道知事の不正に関する捜査を徹底して封じ込める意図があるとしか考えられない」と述べている。

 検察は先日、産業通商資源部の局長が韓国電力公社傘下の発電会社4社の社長に辞表提出を強要したという、いわゆる「産業通商資源部ブラックリスト事件」の捜査に着手した。さらに月城(ウォルソン)原発1号機廃炉に関わる経済性評価の捏造や蔚山(ウルサン)市長選挙への介入など、現政権の不正に関する捜査をいつでも始めることができる。しかし、これらの事件の捜査はこれまで、現政権の圧力で中断していた。

 李在明前知事については、同氏が関係する大庄洞(テジャンドン)土地開発疑惑や弁護士費用の代納、権純一(クォン・スンイル)元大法官(最高裁判事)との裁判取引疑惑、夫人による京畿道知事時代の法人名義のクレジットカード不正使用、城南(ソンナム)FC後援会の賄賂疑惑に対する捜査が待ち受けている。

 民主党の検察に対する介入は、曺国(チョ・グク)元法相の不正に関する捜査が本格化したときから、検察改革という美名の下で捜査チームを解体し捜査権を奪い、検事総長の懲戒という形で本格化した。

 現政権にとって、検察は退任後の自らの不正を暴く宿敵であり、何としても検察の捜査権を奪っておかなければ安心できないのだろう。