福くん、将来はまさかの政治家に!?

福:そもそも論なんですけど、なんで世の中には1割だけ左利きがいるんでしょう? 全員右利きのほうが世の中的にはスムーズだと思うし、逆にいるならいるで、半分ぐらいいてもいいのに。

加藤:さすが、よく気が付きますね(笑)。この理由を説明するにはまず、「常識とは何か?」ということを説明する必要があって。

 僕たちはよく「常識で考えて」とか言いますけど、実は常識というものは存在していないんですね。たとえば日本の多くの法案は多数決で通過しますけど、同じ法案でも賛成する人が半分に満たなければ、それは一転、廃案となって非常識となる。つまり常識って揺れ動くものなんです。

福:じゃあ9割いる右利きが常識……?

加藤:そうそう。では1割しかいない左利きの役割は何かというと、右利きが気づかないことに気付ける、という利点があるんですよ。

 現に福くんがさっき言った「スポーツでも右の技から教える」ということも、右利きの人は「そんなこと考えたこともなかったよ」となるわけじゃないですか。でもそこから、「左右バランスよく両方鍛えたほうが有利なのでは?」という発見があったりする。

 そんなふうに新しい発見って、いつでも門外漢からもたらされてきたんですよ。

福:そうなんですか?

加藤:実際に歴史的なところで言うと、DNAってあるでしょう? このDNAの2重らせん構造の解明は、物理学で1933年にノーベル物理学賞を受賞したシュレディンガーという理論物理学者が、全く畑違いの生物学の世界に入ってきて、そういった遺伝子があるんじゃないかと言ったんです。

 それがヒントとなり、DNAの構造解析の発見に繋がっていったんです。そんなふうに、全然違う分野の人が見ると気づけることは多い。同じように「左利きだったらこうするのに」ということはいっぱいある。だから左利きの人を右利きに矯正してしまうと、進歩が減衰してしまうんですよ。

福:逆に左利きが半分近くになったら、世の中の常識もいろいろ変わっちゃうんでしょうね。

加藤:日本の国会でも、野党が半分近くなると法案が通りにくくなるでしょう。でも1対9だったら、ずっと9割派の法案が通り続ける。良くも悪くも、ね。たしかに福くんの言うように、左利きの政治家が増えたら日本も大きく変わるかもしれませんね。

福:事務所は僕に、将来は政治家になったらいいとも言うんですよ。

加藤:今日福くんに会って言動を見ていたら、事務所の方たちのその反応は極めて普通だなと分かりますよ。願わくばそのまま、脳の左右バランスが良く成長していただきたい。

 そうすればきっと、人を引っ張るところで能力を発揮する日がくると思います。

鈴木福の天職は「MCと政治家」!?脳の専門家が断言!鈴木 楽(すずき・たの)
2013年6月28日生まれ。小学3年生。東京都出身。鈴木家4きょうだいの3番目。0歳から芸能活動をスタート。デビュー作はNHK大河ドラマ「花燃ゆ」。教育テレビ、ドラマ、映画、CM、バラエティーなど多岐に渡り活躍中。いかにも子どもらしいキャラクターで人気を博している。特技:箏、空手
鈴木福の天職は「MCと政治家」!?脳の専門家が断言!『1万人の脳を見た名医が教えるすごい左利き』[著者]加藤俊徳(かとう・としのり)
左利きの脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社脳の学校代表。昭和大学客員教授。発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家。脳番地トレーニングの提唱者。
14歳のときに「脳を鍛える方法」を求めて医学部への進学を決意。1991年、現在、世界700ヵ所以上の施設で使われる脳活動計測fNIRS(エフニルス)法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科でアルツハイマー病やMRI脳画像の研究に従事。ADHD(注意欠陥多動性障害)、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。帰国後は、独自開発した加藤式MRI脳画像診断法を用いて、子どもから超高齢者まで1万人以上を診断、治療を行う。「脳番地」「脳習慣」「脳貯金」など多数の造語を生み出す。InterFM 897「脳活性ラジオ Dr.加藤 脳の学校」のパーソナリティーを務め、著書には、『脳の強化書』(あさ出版)、『部屋も頭もスッキリする!片づけ脳』(自由国民社)、『脳とココロのしくみ入門』(朝日新聞出版)、『ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』(大和出版)、『大人の発達障害』(白秋社)など多数。
・加藤プラチナクリニック公式サイト https://www.nobanchi.com
・脳の学校公式サイト https://www.nonogakko.com