2017年のフランス大統領選は、西側の政治にとって重大な転換点となった。伝統的な右派と左派の戦いではなく、むしろ国家としてのアイデンティティーや移民政策、欧州の単一通貨「ユーロ」といった国際制度が争点に上がった。国民戦線(当時)のマリーヌ・ルペン氏候補の言葉を借りれば「愛国者」と「グローバリスト(国際主義者)」の戦いであり、中道派エマニュエル・マクロン氏に言わせれば「閉ざされた」あるいは「開かれた」世界のどちらを追求するかの選択だった。結果は、マクロン氏がルペン氏に32ポイントの大差をつけて圧勝し、グリーバリストの勝利で幕を閉じた。4月24日に行われる決選投票での再対決は、直近の世論調査でマクロン氏のリードが1桁にとどまるなど、接戦の様相を強めている。
変わる仏大統領選の対立軸、国際化より台所事情
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