
昨年、サントリーホールディングスで10年ぶりに創業家出身者がトップに就任する“大政奉還”があった。創業120年超の歴史を誇る日本屈指の同族企業、サントリーの足跡をダイヤモンドの厳選記事を基にひもといていく。連載『ダイヤモンドで読み解く企業興亡史【サントリー編】』の本稿では、「週刊ダイヤモンド」2005年9月24日号のサントリーの佐治信忠会長兼社長(当時)のインタビュー記事「組織変革とM&Aによって経常利益率を10%にする」を紹介する。当時、キリンビールやアサヒビールの「第三のビール」への参入による競争激化でビール各社は軒並み大幅な減益に沈むなど業界は厳しい環境に置かれていた。インタビューで佐治氏は、酒類メーカーの再編に関する考え方や、社長就任時に掲げた「売上高3兆円構想」に向けた変革シナリオを語っている。(ダイヤモンド編集部)
ビールメーカーは販促・安売りで疲弊
セブンに「あまりわがままでも困る」
――キリンビール、アサヒビールの参入によって「第三のビール」市場が急拡大したにもかかわらず、ビールメーカー4社の中間決算は、軒並み大減益決算になった。
佐治 販促合戦、安売り競争によって、全メーカーが疲弊する結果になった。商売だからきれい事ばかりを言ってはいられないが、メーカー・卸・小売りの経営者は、「コストを乗せて営業活動をする」という大原則に立ち返るべきだ。
――ビールメーカーが推し進めた「オープン価格制度」は定着せず、セブン&アイ・ホールディングスは食材の一括調達を武器に値下げ圧力を強める。むしろ、小売業界からの圧力は高まっている。
佐治 実際の商売は、力関係で成立している。セブン&アイグループとの交渉は難航しそうだが、あまりにわがままを言ってもらっても困る。酒類も飲料もそうだが、採算度外視でやっていると、業界もろとも地盤沈下する。
「週刊ダイヤモンド」2005年9月24日号







